3日の新林公園は、前日に業者による草刈りが入ったばかりとか、実にさっぱりしていました。いつも最初に観察するのはミニ栗林。クズの柔らかい新葉が巻いたように膨らんで萎れたところに蜂がやってきました。かなりしつこく葉をさぐる挙動に目がとまりました。
写真を撮りながらしばらく見守っていると、先っちょを噛み切り開いているようす。
開いた先端から頭を突っこんで、なにかを掴んだようす。
そして、白いイモムシらしいものを引っ張り出しました。
イモムシをしっかり抱え込んで、どうやら、麻酔を終えたようす。
このあと、蜂はイモムシを抱えて飛びっ去ったもようですが、画像の記録ではおよそ10分間のプロセスでした。
帰宅後、手持ちの狩蜂図鑑(田仲義弘著)を見ると、本の最初にそっくりこのシーンが載っていました!
蜂はオオフタオビドロバチ、クズの葉の中の捕獲されたイモムシはゾウムシの仲間の幼虫のようです。狩バチといわれるハチの母親は自分のこどもに新鮮なままの餌をあたえるために麻酔をほどこして餌を生きながらせておくという知識はありましたが、目の前で初めて狩りのようすを見ました。
次は、今季初めて気づいた8㎜ほどの虫。調べて、トホシオサゾウムシと知りました。メスは露草の茎に口吻を突き刺して穴をあけて卵を産むとか。トホシといっても星は4つぐらいしか見えません。
次は、小暗い木の下でキラキラ光っていたハムシ。5㎜ほどで、ジンガサハムシにしては小さいなと。これはスキバジンガサハムシと分かりました。金箔をはったような輝きです。
新林公園の、いつになく人影が少ない冒険広場の端に朽木が倒れていて、裂け目に2㎝弱のカミキリがいたのをとりあえず撮ってみました。これも調べると、フタオビミドリトラカミキリと長い名前で、沿海性らしいです。
最後は、コナラの老木にヒメとつけたいくらい小さなサトキマダラヒカゲがひっそりといました。
手入れのゆきとどいた公園はあまり出会いがないかも?の予想に反して、さまざまなむしの営みがあることをあらためて思ったのでした。
——コメント——
お~~、蜂の幼虫ゲット素晴らしい。
最初の写真は、蜂が傷んだ葉に留まっている良くある風景です。
まさか中に幼虫が居るなんて想像もしませんでした。
説明を読みながら順番に写真を見ていくと、あれっ、え、お~、なんと。
だんだん引き込まれて行って、最後には感動でした。
写真を見て感動ですから、現場で実物を見ていた nontaba さんは、もっと感動したんじゃないですか。
秋山 孝
By:湘爺
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昨年「6月の川名緑地から」でナミヒメドロバチの泥巣とハチ本人について載せるときに「狩蜂図鑑」を手に入れて、たまには眺めていたのですが、今回のオオフタオビドロバチのページは見過ごしていたんですね。後で思うと、どうしてこの蜂がイモムシを抱えて運んで飛ぶところまでちゃんとカメラで追っていなかったのかと残念!でも10分も見てたらもう辛抱できなかったんですね、きっと。自然観察はじっくり腰を据えることが大事だと思いました。
By:nontaba
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