春だけ出現するツマキチョウはスプリングエフェメラル(春の妖精)と呼ばれ、人気の蝶です。
その蛹は特異な形をしており、一度見たいなと思っていました。今回、ある緑地で産卵したばかりの卵を撮っているカメラマンが。4月7日の出来事でした。偶然にも知り合いで、その卵を持ち帰り観察することに。
小さな蝶の卵からは初めてで、テーブルの上に産み付けられたショカッサイを水差しに入れて置き、観察開始。4月15日9日目で孵化。卵から幼虫が出てきました。そして孵化後5月15日32日目で蛹になりました。無事蛹になってほっとしています。
来春大空に舞う日を楽しみにしたいですが、その時は生まれた緑地に返しに行きます。
4月7日 ツマキチョウ♀ 持ち帰った卵の親かもしれません
4月7日ショカッサイの蕾の下に産み付けられた卵
4月9日 3日目
4月11日 5日目
4月14日 8日目 15:20
20:50 孵化 幼虫が出てきました
21:05 元気な幼虫です 体長2~3mm
4月15日 孵化後2日目 卵のあった場所から離れません
4月17日 孵化後4日目 少し移動するようになりました
4月18日 孵化後5日目 卵のあったところに戻っていました
葉っぱの上も歩いています
4月19日 孵化後6日目
4月22日 孵化後9日目 体長5mmくらいになりました
4月24日 孵化後11日目 もっぱら茎を食べているようです
4月26日 孵化後13日目
4月28日 孵化後15日目 どんどん成長しています 1㎝以上になりました
全体はこんな感じで茎がどんどん食べられていきます 葉はあまり食べていません 食草であるカラシナも加えました
4月30日 孵化後17日目 時々植物を霧吹きで湿らせますが、威嚇するようになりました
5月3日 孵化後20日目
5月5日 孵化後22日目 2センチ以上になりました
5月8日 孵化後25日目 場所は飼育箱の上にしました 急成長3㎝くらいになりました
5月10日 孵化後27日目 太くなりました
5月11日 孵化後28日目 ショカッサイの葉を入れましたが、やはり食べるのは茎のようです 右上にバッタの抜け殻が
5月12日 孵化後29日目 そろそろ前蛹状態になるかなと判断し、飼育箱の中に入れました
5月13日 孵化後30日目 ついに食草から離れ、飼育箱の中を歩き出しました
壁、天井、金網とあらゆるところを動き回っています
5月14日 孵化後31日目 9:55 天井を蛹になる場所に選び、前蛹状態になりました
5月15日 孵化後32日目 朝7:40
ついに蛹に 14:29 蛹化直後かなと 40分前に見た時は朝と変わらなかったので、まだまだと油断していました
14:47 まだくねくねと蛹が動いています
19:12 形が変わってきました
5月19日 今日の蛹です このまま来春まで、じっと眠りにつくのでしょうか 見守りたいと思います
長い観察記録をご覧頂いた皆さま、ありがとうございました。いつも思うのですが、親は子孫を残すため卵を食草に産み付け、寿命を迎えます。その子どもは親から何一つ教わることはないのに、自分だけの力で、知恵で、こうして蛹になります。何と素晴らしい能力でしょう。ただただ感心させられるばかりです。
小さな小さな命ですが、そこには壮大なドラマがあります。来春、このツマキチョウが無事羽化したというお知らせができたらいいなと思いながら、楽しみに待つことにします。
コメント
素晴らしいドラマありがとうございます。岸本さんのたゆまぬ努力の成果ですね。これからもがんばってください。
久保さん、ありがとうございます。
毎日朝起きると「ツマちゃん」と声をかけ、その姿を探し確認する・・の繰り返しでした。
長い眠りについて寂しい気もしますが、元気で春を迎えその晴れ姿を見せてほしいと願っています。