先日「キジ」の瞬膜に出会ったことを紹介しました。
ついでに、いろいろな鳥の瞬膜を紹介しようと思います。
もう一度、瞬膜の解説を述べておきます。
人間の目は眼球があって、その上にまぶたがあります。
まぶたは上から下に降りて閉じ、下から上に移動して開けます。
この上下運動で眼球に潤いを与えます。
ところが、鳥はちょっと違います。
鳥の目は眼球とまぶたの間に、もう一枚瞬膜と言う膜があります。
この膜は目頭から目じりに横に移動して閉まり、目じりから目頭に横に動いて開きます。
この横移動で眼球に潤いを与えます。
そして瞬膜の色は鳥の種類によって異なります。
以下に様々な鳥の瞬膜を紹介します。
左側の写真は、瞬膜が開いていて、通常の目が見えているところです。
右側の写真は、瞬膜を閉じたところです。
見比べてみてください。
(1)「イソヒヨドリ」の瞬膜
右側の写真は瞬膜を完全に閉じた状態です。
瞬膜は不透明のようです。
【写真101】
(2)「カシラダカ」の瞬膜
右側の写真は瞬膜を完全に閉じた状態ですが、分りますか。
「カシラダカ」の瞬膜は透明に近いようで、左側の写真と見比べるとなんとなく膜がかかっているのがわかると思います。
【写真102】
(3)「カワセミ」の瞬膜
右側の写真は瞬膜を 2/3 ほど閉じた状態です。
瞬膜は半透明のようです。
【写真103】
もう少しわかりやすい写真を紹介します。
瞬膜を 1/3 ほど閉じた状態です。
【写真104】
(4)「キジ」の瞬膜
先日の写真とは別の個体です。
瞬膜は半透明で 2/3 以上閉じているのがわかります。
【写真105】
(5)「キジバト」の瞬膜
瞬膜は半透明で 2/3 以上閉じていて、更にまぶたも半分ほど閉じています。
面白い目つきですね。
【写真106】
(6)「キンクロハジロ」の瞬膜
瞬膜を 2/3 ほど閉じた状態ですが、瞬膜は透明でわかりづらいです。
右の写真の黄色い目をよく見ると、 2/3 ほどの所に黒っぽい縦線が確認できます。
ここが、瞬膜との境目のようです。
【写真107】
(7)「コゲラ」の瞬膜
瞬膜をすべて閉じた状態です。
瞬膜は半透明のようです。
【写真108】
(8)「コサギ」の瞬膜
瞬膜を半部ほど閉じたところです。瞬膜は半透明です。
【写真109】
(9)「セグロセキレイ」の瞬膜
瞬膜をすべて閉じた状態で、瞬膜は半透明のようです。
【写真110】
(10)「ツグミ」の瞬膜
瞬膜をすべて閉じた状態で、瞬膜は半透明のようです。
【写真111】
(11)「ツバメ」の瞬膜
瞬膜をすべて閉じた状態で、瞬膜は白っぽい半透明のようです。
【写真112】
(12)「ツミ」の瞬膜
瞬膜を半分ほど閉じた状態で、瞬膜は半透明のようです。
【写真113】
(13)「ハイタカ」の瞬膜
瞬膜をすべて閉じた状態で、瞬膜は白いようです。
瞬膜を閉じた時が、ちょうど水浴びで体を震わせたため、ブレブレ写真になってしまいました。
もしかしたら、ブレブレになったため瞬膜がより白く写ってしまったのかもしれません。
【写真114】
(14)「ハシボソガラス」の瞬膜
後ちょっとで瞬膜がすべて閉じられる瞬間です。瞬膜は白色です。
カラスの顔は黒色で瞬膜は白色なので目立ちます。
カラスを見たときに、目が時々白くなるのに気付いていると思います。
瞬膜を閉じた瞬間ですね。
【写真115】
(15)「バン」の瞬膜
瞬膜をすべて閉じた状態で、瞬膜は半透明のようです。
【写真116】
(16)「ヒドリガモ」の瞬膜
瞬膜をすべて閉じた状態で、瞬膜は半透明のようです。
【写真117】
(17)「ムクドリ」の瞬膜
瞬膜をすべて閉じた状態で、瞬膜は半透明のようです。
【写真118】
以上、様々な鳥の瞬膜を紹介しました。
面白いですね。
でも、なぜ鳥には人間と違って瞬膜があるんでしょうね。
秋山 孝
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