6月上旬、深緑の谷戸の尾根を見上げて思わず息をのみました。クマノミズキが真っ白に満開でした。
眼の前ではヤマグリの花が真っ盛り、セマダラコガネが雄花に埋もれて吸密に余念がありません。(6月7日)
前谷戸のスイカズラの葉にビロードハマキが止まっていました。いろいろなところで目にする蛾ですが、谷戸では初めてでした。
思えば、ビロードハマキとの最初の出会いは7年前、鎌倉~横浜の尾根をハイキング中でした。下はそのときの画像ですが、この斬新な翅の色とデザインに心奪われたのが蛾に興味を持つきっかけになったかもしれません。後翅を見るチャンスはめったにないのでは、と載せてみました。
サルトリイバラの上のほうにルリタテハの蛹を見つけました。まるで枯葉です。
別のサルトリイバラの茎を齧っていたのはスジモンヒトリの幼虫(4㎝位)です。ヒトリガの幼虫は密な長い毛に覆われているので「熊毛虫」というそうです。毛に毒はないとか、案外、柔らかいのかも?
梅雨から夏の時季の好きな花、ムラサキニガナです。藤沢南部や鎌倉に多く、木陰の少し薄暗いところにひょろりと高く、地味に咲いています。5㎜ほどの薄紫色の花がとても可愛いのです。
6月下旬にはそう果になって飛び立ちました。
ミズキの葉に透けていたのはツマキシロナミシャク
湿地の藪のアゼナルコでお洒落な翅を見せていたのはウンモンクチバ。
そして、湿地にひらひらと現れたのはジャコウアゲハ♂でしょうか。
6月下旬には、新林公園近くのフェンスでキレハノブドウが小さな花をつけ、小さなハチが訪れていました。
そして、谷戸の藪状態のセイタカアワダチソウの葉裏に泥の巣ができていて、上部に1㎝足らずの小さいハチがいました。
最後は、これも虫たちの母性のたまもの。2年前の6月に谷戸のハゼノキの葉にエサキモンキツノカメムシが抱卵していたので、今季も気にかけて見上げて探しました。ありました!(6月27日)卵塊はまだ新鮮です。風に揺れる葉の虫をカメラで捉えるのは難しいです。残念、ボケてます。
梅雨の晴れ間にどんな出会いがあるでしょう。緑地の宝探しは楽しいです。ただし、怖い怖い大きなスズメバチの威嚇もあります、ご用心!
——コメント——
どうやってこの驚きを表現したらよいのかわかりません‥
ビロードハマキ‥nontaba さんのハートをひと目でつかんだのですね‥わかるわかる‥‥参りました。他にもエサキモンキツノカメムシが2令になるまで抱卵するというのもすごい驚きです。そしてナミヒメクモバチは麻酔したクモを壺に入れて産卵する‥怖るべき虫たちのの世界
可憐なムラサキニガナを眺めていて、ちょっと落ち着いてきました。
By:misakotn
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2年前のふじさわ自然通信の6月頃にこのエサキモンキツノカメムシの抱卵を確か載せたと思います。そのときのほうが良い写真が撮れていたのですが・・
By:nontaba
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本当ですね〜卵が膨らんで色が変わって、一部孵化しているのでしょうか?こぼれ落ちそうに見えるけど大丈夫なんですね?親の体もとても美しい!
‥ありがとうございました。
By:misakotn
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とても丁寧なコメントをありがとうございました。見つけて、写真を撮って、それだけで満足していたのですが、お蔭さまであらためてエサキモンキツノカメムシの抱卵について勉強しました。以下のサイトに詳しい生態観察が紹介されていました。http://tnt-lab.eco.coocan.jp/nat/esaki/esaki.htm
By:nontaba
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ざっとこの方の観察記録拝見しました。カメムシの抱卵自体は本能でしょうが、雨、風から数多の敵に対処できるのは頭がいいと言えるのか?また観察者がすごいですね。軽い実験を交えながら、多方面から観察、記録していく!脱帽です。nontaba さんに重なります。ありがとうございました。
By:misakotn
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