(3/29) 引地川湘南台地区( カイツブリとコガモの愛情物語 )

ずいぶん古い話ですが、怪我をしたメスの「コガモ」と、優しく見守る「カイツブリ」の愛情物語を紹介します。
私のなかで、強く記憶に残っている出来事です。
引地川の鷹匠橋付近での出来事です。
思いつくまま、長々と書いてしまいました。
めんどくさければ写真だけ見てください。

第1章 鷹匠橋
私は現役を引退した後、体調維持をどうするか考えました。
現役の時は通勤や仕事で、適当に体を動かしていました。
でも、引退すると家でゴロゴロすることになりそうです。
体は適度に動かしていないと、様々な問題が起こると思います。
若い時は若さのエネルギーで、なんとでもなります。
でも、歳をとったら、そういうわけにはいきません。
やはり運動をするなり、体を動かさなければいけません。
どうするか考えていて、ひらめきました。
湘南台の東側には境川が流れていて、西側には引地川が流れています。
そうだ、川の土手を散歩しよう。
私はカメラが好きだから、カメラ片手に川の土手を散歩しよう。
そして、気になった自然の写真を撮って楽しもう。
と言うことで、朝の川散歩を始めました。
歩きはじめたのは引地川で、2008年1月からです。
1月は冬ですから、川にはカモ類が居ます。
その当時はカモ類がたくさんいました。
「カルガモ」「マガモ」「コガモ」「ヒドリガモ」「オナガガモ」です。
カモ類が居てカメラを持っていますから、ついつい撮ってしまいます。
撮ってしまうと、何と言う鳥か知りたくなります。
野鳥図鑑を買ってきて調べ始めました。
そんなことをしているうちに、だんだん鳥にはまって行ってしまった次第です。
川散歩は引地川を歩き、歩き始めのスタート地点となった橋があります。
鷹匠橋です。
全てはこの橋から始まりました。
ちなみに、ここの自然通信で鷹匠橋と言って鳥を紹介している人も居ますが、あの橋は鷹匠橋ではありません。
あの橋は、正確には「大庭鷹匠橋」と言います。
湘南台にある橋が、本当の「鷹匠橋」です。
全ての始まりとなった橋はこんな風景です。


【写真101】

何の変哲もない、とにかく橋をかけただけと言った橋です。
橋のたもとには木が植わっています。
この橋と木を、私はすごく気に入っています。
この土手をカメラ片手にぶらぶら散歩していました。

第2章 手負いの「コガモ」発見
2010年1月9日、朝の引地川散歩に行きました。
鷹匠橋の右岸上流側を歩いていました。
すると、向こう岸に「コガモ」のメスががうずくまっていました。


【写真102】

左側の翼に、何か違和感を感じました。
それで、鷹匠橋を渡って向こう側に行き、上から覗き込みました。


【写真103】

やはり、左側の翼がすこし変な感じがします。
鷹匠橋の下流側少し離れたところに「カイツブリ」が居ました。


【写真104】

「カイツブリ」はこの辺では、たま~~に見かけていましたが、遊水地化工事が始まり川のしゅんせつも行われ、それ以降全く見かけなくなってしまいました。
なぜだか覚えていませんが、それからしばらく川散歩はしていませんでした。

第3章 「コガモ」と「カイツブリ」の出会い
11日後の2010年1月20日、久しぶりの川散歩に出かけました。
例の「コガモ」が居たところに行くと、まだ居ました。
変だなと思っていた左側の翼を手入れしていますが、翼が少しだらっとした感じがします。


【写真105】

鷹匠橋の下流側の方では「カイツブリ」が朝食を食べていました。


【写真106】

そこを離れ色々散策して、再び戻ってきました。
すると、左の翼を怪我したらしい「コガモ」のそばに「カイツブリ」が来ていました。
そして「カイツブリ」が.「翼の具合は、どうだい」と気にかけているように見えます。


【写真107】

そして「コガモ」は、こんな感じなんだよと左側を「カイツブリ」に見せているように見えます。
左側の翼が、だらっと垂れているように見えます。


【写真108】

他を散策して、再び戻ってきました。
すると、「コガモ」が立ち上がって羽ばたきをしていました。
やはり、左の翼を傷めているようで、あまり上まで上がらないようです。


【写真109】

すると、泳ぎ始めました。
鷹匠橋を超えて行って、ユーターンしてきました。
急いで鷹匠橋に行って、上から撮りました。


【写真110】

上から見ると、はっきりしますね。
左の翼がだら~っとしてます。
そして、向こう岸に到着したところを後ろから撮りました。
後から見ると、左の翼を傷めているのがはっきりわかりますね。


【写真111】

「カイツブリ」は鷹匠橋の下流側を濡れそぼって泳いでいました。


【写真112】

第4章 「コガモ」の左翼の負傷は致命的
その3日後、2010年1月23日に再び訪れました。
鷹匠橋上流側で、うたた寝をしていました。
やはり、左の翼がだらりとしていますね。


【写真113】

散策してきて再び来てみると、水を飲んでいました。
左の翼に力が入っていません。


【写真114】

泳ぎ始めましたが、相変わらず左の翼がまとめられず浮いています。


【写真115】

この日は「カイツブリ」を見かけませんでした。

第5章 「カイツブリ」の優しさ
更にその4日後の、2010年1月27日に訪れました。
鷹匠橋のいつもの所に「カイツブリ」が居ました。


【写真116】

上流側のいつもの所に「コガモ」が居ましたが、右側を向けているので痛めている翼は見えません。


【写真117】

他を散策していて、はじめて「トラツグミ」を発見し感激していました。
再び戻ってみると、左側を見せていました。
やはり左の翼がだれています。


【写真118】


【写真119】

しばらくすると、「カイツブリ」が「コガモ」のほうに近づいて来ました。


【写真120】

「コガモ」が「カイツブリ」に「来てくれたのかい」と言っているように見えます。


【写真121】

手負いの「コガモ」を心配し、優しく対応する「カイツブリ」。
自分のことを心配し、優しくしてくれる「カイツブリ」に対し感謝し喜ぶ「コガモ」.
この「カイツブリ」と「コガモ」の心の動きを以下の連続写真で、二人の会話を想像してください。


【写真122】


【写真123】


【写真124】


【写真125】

その後、なぜだかわかりませんが引地川に行きそびれていて、「カイツブリ」と「コガモ」に再び会うことはありませんでした。

第6章 大庭自然探偵団への参加
健康維持のため、鷹匠橋を起点に歩きはじめることになりました、
朝の川散歩で引地川を歩いていて、この川はどんな川だろうと気になりました。
引地川を調べて行くうちに、ある人物のホームページにたどり着きました。
この人がすごい人です。
引地川と境川を毎年、源流から河口まで歩いているんです。
そして、橋をキーに見聞きしたものを報告しています。
それらの報告の中で、大庭自然探偵団の存在を知りました。
そして、2008年6月8日に、大庭自然探偵団大庭地区の観察会に初めて参加しました。
集合場所に行って初めて声をかけたのが、おぐちさんでした。
懐かしいですね。

第7章 鷹匠橋物語
鷹匠橋は夏になると、周りは緑いっぱいです。


【写真126】

土手を歩く人はあまりいませんから、鬱蒼と雑草が生えています。
雑草をかき分けながら散策するのも面白いです。
冬になると雑草が無くなり、橋のたもとの木は葉がすべて散って枝だけになります。


【写真127】

葉の落ちた橋のたもとの木は、冬鳥の「ハイタカ」の絶好の休憩所になっていました。


【写真128】

そのうちに、遊水地化工事が本格化しました。
そして悲劇の日が近付いてきました。
2016年1月19日、鷹匠橋のたもとにある気に入っている木、「ハイタカ」の休憩所が引き抜かれてしまいました。


【写真129】

そして、2016年1月22日、とうとう鷹匠橋が取り外されてしまいました。


【写真130】

そして、現在はコンクリート護岸になり、色気も何もありません。


【写真131】

生き物を拒否する様な雰囲気になってしまいました。
取り外した鷹匠橋があった場所には、遊水地に対する水門が設置されました。
そのため、新しい鷹匠橋は少し下流側に移動し画面左端にある部分に、将来設置されるようです。
無味乾燥なコンクリート護岸、遊水地がどのような形になるのかわかりませんが、ビオトープ的ではないようです。
川のカーブに土砂が溜まってきて、そこに草が育ち生き物が戻ってくるまでに、どのぐらいかかるんだろう。
そうなる日を期待し待ちたい。

秋山 孝

——コメント——

秋山さん、長年、心の奥底に秘められていたコガモとカイツブリの物語、とても感動しました。同じ水鳥たちの間には、きっと友情とか思いやりの気持ちがあるのだと思いました。あのコガモはその後どうなったのか気になりますね。もうとうの昔に寿命を全うしたと思いたいですね。
動物や野鳥の写真を撮っていますと、たまにですがお互いに心が通い合っているような感覚になる瞬間があります。相手の表情や仕草が感情豊かに感じられることはよくあります。勝手な思い込みに過ぎないとは思いますが、植物もそうです。小さな花からもメッセージを受け取ることがあります。それだからこそ、飽きずに撮り続けているのだと思います。
鷹匠橋のことですが、私がいつも行くところは大庭鷹匠橋であることを初めて認識しました。まだまだ知らないことばかりですが、これからもご指摘よろしくお願いいたします。
岸本登巳子
By:tomiko

——
岸本さん
随分長くダラダラと書いてしまいましたが、最後まで読んでくれたようで、ありがとうございます。
思いつくまま書いてしまいましたが、書きながらその時のことを思い出して胸が熱くなってきました。
鳥や昆虫、花など自然に対するときは、こちらも純粋な気持ちにならないといけないような気がします。
そうすると、自然の方が近付いてきてくれるような気がします。
思い返してみると、私は、手負いの生き物に出会うことが多いような気がします。
足を痛めてビッコを引いている鳥には、良く出会います。
嘴をひん曲げてしまった「ユリカモメ」。
皮膚病で苦しんでいる「タヌキ」には2度出会いました。うち一匹は後日遺体を発見しました。
川岸に「タヌキ」の死体があるのも目撃しました。
その都度、自然通信に報告していると思うので、どこかにあるんじゃないかな。
秋山 孝
By:湘爺

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